ワンピースのゾロが「約束」にこだわるワケ

漫画『ワンピース』のゾロは約束にとてもこだわります。ルフィと初めて出会った時、ゾロは「一か月間はりつけになったら解放する」というヘルメッポとの約束を守るために、飲まず食わずで野ざらしになっていました。

また、麦わら海賊団に加わったのも、「はりつけになったまま海兵に殺されるくらいなら、海賊になって一緒に戦う」と約束して、ルフィに縄を解いてもらったからです。そして、「もしお前が海賊王になる野望を断念したら、腹を切って詫びろ」とルフィにも約束を守らせようとします。

ゾロが約束にこだわるのは、それが自分の信念に関わっているからです。子供の頃のゾロには、くいなという幼馴染がいました。くいなはゾロが通っていた剣道場の師匠の娘で、ゾロが一度も勝てなかった相手でもあります。

ある日、ゾロとくいなは「どちらかが世界一の大剣豪になる」という約束を交わします。ところがその翌日、くいなは階段から落ちて命を落としてしまいます。この時、ゾロは師匠のコウシロウと、「自分が世界一の大剣豪になって、くいなのいる天国まで自分の名を届けるから」と約束して、くいなの形見の刀を譲り受けます。

ゾロがコウシロウとこの約束を交わしたのは、自分が世界一の大剣豪になれば、「どちらかが世界一の大剣豪になる」というくいなとの約束を守ることになるからです。そして、もし他の人間と交わした約束を破ってしまったら、くいなとの約束も破っていいことになってしまいます。それが許せないことだから、ゾロは人との約束にこだわっているのです。

ゾロはくいなの影響で「世界一の大剣豪になる」という信念を持ちました。このように信念は人間関係から生まれます。大切なのは、この信念論を自覚することです。

ゾロとくいなの関係は「故人と生人」です。親しい人との死別は、強い悲しみをもたらします。そのせいで仕事や生活に対して無気力になることもあります。その悲しみを乗り越えるために行われるのが「継承」です。

死にゆく人が想いを託し、残された人が想いを受け継ぐ。この継承によって、死者と生者の間に横たわる隔たりが取り結ばれ、生者は悲しみから立ち直って、前に進めるようになります。

多くの場合、故人は遺言という形で想いを託しています。しかし、突発的に亡くなった場合、はっきりとした遺言を残せません。このとき、残された人は故人の生前の言葉や行動を思い出して、遺言の代わりにします。それが「偲ぶ」という行為です。

くいなの死によって、前日に交わした約束を思い出したゾロの体験も、これに当てはまります。このように誰かとやりとりした直後ではなく、後になって振り返った結果、自分の信念に影響することはよくありす。

人間関係から信念が生まれる過程では、その人の価値観も変化します。ゾロが賞金稼ぎや麦わら海賊団の戦闘員をしているのは、「世界一の大剣豪になる」という信念があるからです。そして、人との約束にこだわるのは、その信念に影響した幼馴染との約束があるからです。このように人間の心理は、信念によって説明することができます。

<今回の信念論>

  • ゾロはくいなの影響で、「世界一の大剣豪になる」という信念を持った。
  • ゾロとくいなの関係は、「故人と生人」。
  • この信念を持つ過程で、ゾロは「人との約束」にこだわるようになった。

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信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。