近い将来、YouTubeがテレビと同じくらいつまらなくなる理由

テレビがつまらない理由として、「どの番組も似たり寄ったり」という指摘があります。あるクイズ番組が人気になると、どこの局もクイズ番組を始める。ある街歩き番組が人気になると、どこの局も街歩き番組を始める。これまでに何度も繰り返されてきた光景です。

この光景はYouTubeでも繰り返されています。YouTuberはアルミ玉が流行ると、こぞってアルミ玉を作り始めます。コーラメントスが流行ると、こぞってコーラにメントスを入れ始めます。エンタメ以外の各ジャンルでも、ファッションならユニクロ商品レビュー、ゲーム実況なら期待の新作ゲームといった、「おおよその正解」が決まっています。

YouTubeもこの正解を助長するように、似たような動画をサジェストする関連表示機能を実装しています。この機能は動画投稿者に、「人気動画に似た動画を作れば自分も見てもらえる」と思考させるので、「似たり寄ったりのコンテンツが並ぶ」という傾向が全体で加速します。

YouTubeはテレビよりもジャンルに多様性があります。しかし、ジャンルの多様性よりも、ジャンル内の類似性が目立ち始めるタイミングがやがて訪れます。その時、YouTubeはテレビと同じように、「どれも似たり寄ったり」という理由で、「つまらない」「飽きた」と言われるようになります。

こうしたメディアに対する印象は、個別のコンテンツの良し悪しとは関係ありません。半沢直樹の視聴率が30%を超えても、「テレビはつまらない」「もうテレビなんて誰も見てない」と言われるように、面白い動画や面白いチャンネルがあっても、「YouTubeはつまらない」と言われるようになるのです。

これはメディアの宿命であって、YouTubeや親会社のグーグルに非はありません。ビジネスとして「数字」という結果を出すには、すでに結果が出しているやり方を、時代に合わせてアレンジするしかありません。それを実行しているのがテレビを真似て、テレビよりも効率化しているYouTubeです。

もともとグーグルは新聞の広告シェアを奪って、自社の利益にしました。その手段になったのがリスティング広告です。新聞広告は発行部数という形で、広告の表示数(インプレッション数)を補足できます。しかし、その広告から実際に購入した数(コンバージョン数)は確認できません。

一方、リスティング広告ではコンバージョン数を確認できます。これによって広告は効率化され、広告主は新聞からグーグルに鞍替えするようになりました。グーグルがYouTubeで行なっているのは、この繰り返しです。つまり、「新聞」という活字メディアのシェアを奪ったように、「テレビ」という映像メディアのシェアを奪おうとしているということです。

YouTubeが流行り始めた時、「テレビと違ってCMがない」と言われていました。しかし、現在ではテレビ以上に動画広告が散りばめられています。大多数に見られるコンテンツは「ゴシップ」や「エンタメ」の要素が強く、その要素が強いほど、広告料を利益にするビジネスモデルに近づくようになります。

YouTubeで同じような動画ばかりが増え、その動画も広告だらけになり、将来的に「つまらない」と言われるようになるのは、一企業の思惑を超えたメディアの宿命です。この宿命には、新聞社もテレビ局もグーグルも逆らえません。

大切なのは、この宿命を把握した上で、自分たちのミッションを遂行することです。YouTubeの動画広告や関連表示は、「テレビよりも面白くなろうとする試み」というよりも、「テレビと同じくらいつまらなくなろうとする試み」と見たほうが適切です。しかし、それはYouTubeやGoogleが望んでいることでもあります。

信念論とは?

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