ヴァン・ヘイレンが「大御所ギタリスト」から学んだギターの魅力

今年、ギタリストのエディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなりました。彼がリーダーだったHR/HMバンド『ヴァン・ヘイレン』は1978年にデビュー。全世界で8000万枚以上のアルバムセールスを記録し、1992年にグラミー賞を受賞、2007年にロックンロールの殿堂入りを果たしています。

また、バンドとしてだけでなく、エディ自身も卓越したテクニックで有名です。弦を叩くように弾く「タッピング奏法」を駆使したサウンドは、後世のギタリストに大きな影響を与えました。

多くのギタリストが彼の影響を受けたように、彼自身もまた他のギタリストから影響を受けています。その筆頭がエリック・クラプトンです。エディは2011年の米ローリングストーンズ誌によるインタビューで次のように答えています。

「クラプトンは俺のランキングでNo.1だよ。クラプトンの演奏スタイルと雰囲気に魅了された理由は、彼のアプローチの根底にあるシンプルさと、彼のトーンとサウンドにあるんだ」

エディはクラプトンの魅力を表現した「シンプルさ」というフレーズを、ザ・フーのギタリストであるピート・タウンゼントや、AC/DCのアンガス・ヤングについても繰り返しています。つまり、彼にとってギターの魅力は「シンプルさ」にあるということです。

何かを成し遂げたり、習慣や性格を変えたりするには信念が必要です。そして、信念は「テーマ」「エピソード」「フレーズ」の3つで出来ています。

<信念の3要素>
1.テーマ(取り組むべき課題)
2.エピソード(心を揺さぶられた体験)
3.フレーズ(体験について考えたこと)

エディの場合は「メッセージ」がテーマになっています。彼は自分がクラプトンに魅了された理由について、「シンプルさ」にあると考え、それがギターの魅力に対する信念になっています。このように自分が心を揺さぶられた体験について、自分なりに考えたことが、自分の信念になるのです。

「メッセージ」はビジネスにとって重要なテーマの一つです。その仕事を通して、自分は誰に、何を、どんな風に伝えたいのか。その答えは自分が誰の仕事の、どんな部分に心を揺さぶられたのかで決まります。その心を揺さぶられた部分が、商品やサービスの「魅力」です。

商品やサービスの魅力に正解はありません。別のギタリストがギターの魅力について「シンプルさ」以外のものを感じたとしても、それは間違いではありません。正解がないからこそ、それは「ただ自分はそう信じている」という意味で信念なのです。

信念を持つには、自分が決めたテーマについて日頃から情報を集める必要があります。また、ただ信念を持つだけでなく、それを誰かに話して、自覚を高めることも大切です。信念の3要素に、このヒントとアウトプットを加えた5ステップを私は「マインドレコーディング」と読んでいます。

〈マインドレコーディングの5ステップ〉
1.テーマを決める
2.ヒントを集める
3.エピソードを振り返る
4.フレーズを作る
5.アウトプットで確かめる

エリック・クラプトン、ピート・タウンゼント、アンガス・ヤング。エディは自分の音楽が他人の影響を受けていることに対して自覚的です。彼の得意技であるタッピング奏法についても、ジミー・ペイジの『Heartbreaker』をきっかけに、「右手の人差し指を左手の6本目の指のように使う弾き方を思いついた」と話しています。

このように成功や結果は「他力」と「自力」の両方でできています。他人の猿真似するだけでうまくいくわけでもなければ、自分一人で考えて答えが出るわけでもありません。誰かの言動をヒントにして、自分なりのやり方を見つける。この「影響」と「アレンジ」が大切なのです。

私たちは成功や結果の理由について、極端な答えを求めがちです。しかし、自分だけの力で成功することもなければ、他人だけの力で成功することもなく、現実はその中間にあります。「自分はこの人からこういう影響を受けたんだ」と飾らずに話せるエディ・ヴァン・ヘイレンは、さすが世界的なギタリストだと感じました。

信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。