アイドルから女優へ。『金八先生』でブレイクした上戸彩の信念

上戸彩の経歴は?

女優の上戸彩はもともとアイドルとしてデビューしました。小学生の時に第7回国民的美少女コンテストで審査委員特別賞を受賞し、その2年後にアイドルユニット『Z-1』のメンバーになったのが、その始まりです。

そんな彼女が女優として活躍していく転機になったのが、『3年B組金八先生』です。彼女が演じた鶴本直は「体は女性、心は男性」というトランスジェンダーでした。上戸彩は「兄が2人いること」や「男友達の方がウマが合ったこと」から自分と配役に共通点を見出し、この演技をこなしたと言います。撮影後半では自分との同一視が進み、女子トイレに入ることに嫌悪感を覚えるようになったそうです

鶴本直を演じたことで、彼女は女優としてブレイクし、様々なドラマに出演するようになりました。そのことについて、雑誌『Hanako』のインタビューで、「鶴本直に出会えたことで、知名度も仕事の量も、人生すべてが変わりましたし、それが今につながっています」と語っています。

人間が何かを成し遂げる時は、信念の力が働いています。そして、その信念の源になるのは人間関係です。誰かに心を揺さぶられて何かを連想すると、その連想が自分の信念になります。彼女が信念を持つきっかけになったのは、自分のファンです。

「演技で人の命を救える」

『金八先生』出演後、彼女は「死のうと思ってたけれど、鶴本直を見て救われました」という内容のファンレターをもらうことが増えたと言います。そしてこのことについて、「私は良い仕事をさせてもらっているんだなと実感しました。演技で人の命を救えるんだって」と振り返っています。この「演技で人の命を救える」というフレーズが、女優業に対する信念になっています。

仕事の信念が生まれるきっかけは主に二つあります。一つは自分が誰かに助けられたことで、自分も誰かを助けたいと考えるようになる場合。もう一つが、仕事を通して誰かに感謝されて充実感を覚える場合です。彼女の体験は、後者になります。

また、誰かに心を揺さぶられて信念を持つ時にポイントになるのが、相手の表情と手触りです。この表情と手触りについて、彼女は興味深い体験をしています。

『金八先生』出演後、彼女のファン層が変わり、アイドルとしてのライブ活動に女性が来るようになりました。そのライブで行われる握手会について、「『もしかしてあなたも……?』という方も。男性っぽい風貌をしているけれど、手は華奢で小さかったりする。そういうときは、何かを言うわけではなく、アイコンタクトで会話しました」と体験を明かしています。

この体験について、「この時間がすごく幸せでしたね」と振り返っています。言葉のやり取りに表情や手触りが加わると、その印象が心に焼きついて、強い信念の源になります。鶴本直を演じたとき、上戸彩は16歳です。その多感な時期に人がひそかに抱えている悲しみや苦しみに触れたことが、彼女の糧になっているのは明らかです。

人は振り返ることで成長する

信念を持つには、「テーマを決める」「ヒントを集める」「エピソードを思い出す」「フレーズを作る」「アウトプットで確かめる」という5つのステップがあります。私はこの仕組みをマインドレコーディングと呼んでいます。

このインタビューでは、竹野内豊主演の月9ドラマ『流れ星』についても語られています。『流れ星』は監督の意向で、監督と竹野内豊と上戸彩の三人で議論することが多かったと言います。この時、彼女は「自分の意見を言ってもいいんだ」と新鮮な気持ちになったそうです。

上戸彩は『女優』や『演技』というテーマについて、監督や共演した俳優、そして自分のファンとやりとりを交わし、印象深かった体験について、自分なりの言葉で表現しています。それを何度も繰り返してきたからこそ自分の信念を確立し、競争の激しい芸能界で生き残っています。

ただ体験するだけでは人は成長しません。人が成長するのは、自分の体験について振り返り、自分なりの結論を出した時だからです。20年近く前のことについて、「あの時はこう思った、こう感じた」と語れる上戸彩のインタビューは、結果を出す人間がしっかりと内面を育んでいることを教えてくれています。

マインドレコーディングとは?

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、物事を成し遂げるための信念を持つ手法。それがマインドレコーディングです。
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