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【ワンピース】恩人のために夢を捨てたサンジが、その夢を拾い直せたワケ

漫画『ワンピース』のサンジはルフィの仲間になる以前は、海上レストラン『バラティエ』でコックとして働いていました。サンジには世界中の海の食材が揃う海域『オールブルー』を見つけるという夢がありましたが、その夢を抑圧していたのです。

その抑圧の理由になっているのが、バラティエのオーナー兼料理長であるゼフです。ゼフはもともと『赫足のゼフ』という二つ名を持つ海賊で、サンジがコック見習いをしていた客船を襲撃しました。しかし、大波にさらわれたサンジを助けるために自らも身を投げ出し、二人は食料調達が不可能な岩山に打ち上げられます。

この時、ゼフは一緒に打ち上げられていた食料をすべてサンジに譲り、自分は自らの足を食べることで飢えをしのぎました。その後、二人は近くを通りがかった船に救助され、一命を取り留めます。この一件で片足を失ったゼフは海賊を引退し、航海で何度も飢餓に苦しんだ経験から、「どんな大悪党であろうと脱獄囚であろうと食事を提供する」というコンセプトでバラティエを開業します。サンジはこのゼフに恩義と罪悪感を感じて、バラティエを手伝っていたのです。

サンジはゼフの影響を受けて、「バラティエを守る」という信念を持ちました。このように信念は人間関係から生まれます。大切なのは、この信念論を自覚できることです。

サンジとゼフの関係は「受恩者と施恩者」です。誰かに命を救われたら、「助けてくれた相手に恩返しをしたい」と考えたり、「自分が助けられたように、自分も誰かを助けたい」と考えるのは当然です。ただ、サンジの場合、自分のせいでゼフに夢を諦めさせています。そのため、恩義だけでなく罪悪感も感じています。

一方、ゼフはサンジがそう考えることを望んでいません。ゼフがサンジを助けたのは、「オールブルーを見つける」という自分と同じ夢をサンジが持っていたからです。岩山に打ち上げられていた時点で、ゼフは「時期がきたら、オールブルーのあるグランドラインを目指せ」とサンジに話しています。

サンジとゼフの間には、このようにいくつもの想いが交錯しています。その中から、サンジはバラティエを守ることを選択をしていました。その状況を変えたのが、ルフィとゾロです。

ルフィには「海賊王になる」という夢があり、ゾロには「世界一の大剣豪になる」という夢があります。そして、この二人は自分の夢のために、命すら投げ出す強い信念を持っています。サンジはそんな二人の姿に心を揺さぶられて、自分の夢であるオールブルーを見つけるために、麦わら海賊団にコックとして参加します。

だからといって、サンジにとってゼフの存在がどうでもよくなったわけではありません。オールブルーの発見はサンジの夢だけでなく、ゼフの夢でもあるからです。ゼフは片足を失った時点で、自分が追いかけられなくなった夢をサンジに託しています。二人は「受恩者と施恩者」という関係だけでなく、「先駆者と後継者」という関係でも結ばれているのです。

「受恩者と施恩者」という関係に着目すれば、「バラティエを守る」という信念が生まれます。一方、「先駆者と後継者」という関係に着目すれば、「オールブルーを見つける」という信念が生まれます。そして、サンジはルフィやゾロとの出会いによって、自分の夢でもあったオールブルーを選択します。恩人のために一度は捨てた夢を拾い直したのです。

「恩返しをしたい」と考えるのは当然ですが、そのために自分の夢を諦めることを相手は望みません。ルフィはそれを「死ぬことは恩返しじゃねえぞ」と指摘しています。この辺りをしっかりと主人公にやらせるのが、ワンピースのストーリーの秀逸な点です。

『ワンピース』はフィクションですが、こうした心理的な過程は現実の人間にも当てはまります。しかし、現実では過去を振り返ったり、自分の想いを確かめることは軽視されがちです。そのため「本当にこれでいいのか?」という不安や疑いに悩まされることがよくあります。だからこそ、「どんな人間関係からどんな信念が生まれるのか?」という信念論を自覚することが大切なのです。

<今回の信念論>

  • サンジはゼフの影響で、「オールブルーを見つける」という夢を持った。
  • サンジとゼフの関係は、「先駆者と後継者」。
  • 片足を失ったゼフは自分の夢をサンジに託し、サンジはその夢を受け継いでいる。

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信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。