【キングダム】自分の限界に悩んでいた信が成長できた理由

「剣を振っているだけでは強くなれない」

漫画『キングダム』の主人公、信は「天下の大将軍」になることを目指しています。下僕だった彼が戦争で功績を挙げて、百人将、三百人将、千人将と出世していく過程が、物語の軸の一つです。

信は秦趙攻防戦で功績が認められて、百人将から三百人将に出世しました。この時、彼は自分の成長に限界を感じていて、「ただ剣を振っているだけでは強くなれない」と悩んでいました。

彼はいかにしてこの限界を突破したのか。人間は「感動した時に考えたこと」が自分の信念になります。何かを成し遂げたり、性格や習慣を変えたりするには、この信念が必要です。信が信念を持つきっかけになったのは、王騎将軍です。

王騎は信たちの時代の二世代前、昭王の時代に活躍した武将です。その頃の彼は「秦の六大将軍」という特別なポストを与えられ、隣国から恐れられていました。信は自分が目指している「大将軍」だった彼に、指導を願いました。

「これが将軍の見る風景です」

王騎は秦趙攻防戦で、「武神」の異名を持つ龐煖との死闘の末、命を落とします。この時、彼は自分が戦場で使っていた矛を信に譲り渡します。王騎の矛を譲り受けた信はその矛に重みを感じて、「これを振れるくらいでなくては天下の大将軍にはなれない」と奮起します。

信が感じている矛の重みは物理的な重さだけでなく、「あの王騎将軍が使っていた」という心の重みが含まれています。その心の重みが心の強さに変わり、限界を感じていた信が成長するきっかけになったのです。

信が王騎から譲り受けたものがもう一つあります。それが「将軍が見る風景」です。王騎が龐煖から致命傷を受けた際、秦軍は敵兵に包囲されて絶体絶命の状況でした。この窮地から抜け出すために、信は馬上で意識を失った王騎に代わり、彼の馬にまたがって走らせます。

しばらくして意識を取り戻した王騎はその馬上の風景について、「これが将軍の見る風景です」と信に教えます。それは百人将だった信が経験したことのない大きなスケールの視点でした。このように信は王騎将軍をお手本にして、「将軍」や「大将軍」という肩書きに信念を持てたのです。

肩書きに信念を持つ

自分の信念はテーマ、ヒント、エピソード、フレーズ、アウトプットの5つのステップを踏むことで気づけるようになります。私はこの仕組みを「マインドレコーディング 」と呼んでいます。

<人生を変えるための5ステップ>
1.テーマ(取り組むべき課題)
2.ヒント(体験を思い出す手がかり)
3.エピソード(心を揺さぶられた体験)
4.フレーズ(体験について考えたこと)
5.アウトプット(考えを誰かに話す)

信は剣術や筋力以外の成長を求めてた時に、自分が目指す「大将軍」だった王騎から学ぼうとしました。これが「肩書き」というテーマになっています。そしてこのテーマについて、王騎に心を揺さぶられる体験をして、「これを振れるくらいでなくては天下の大将軍にはなれない」と考えました。

信が強い敵将と戦うと、その背後に王騎将軍の姿が浮かんできます。これは強敵とのやりとりをヒントにして、自分の持つ信念を思い出していることを意味しています。このように信念は、その根拠になった体験を思い出すたびに強くなります。

「キングダム」はフィクションですが、これは現実にも当てはまります。たとえば小説家になりたい時、私たちは文章の書き方やシナリオの作り方、キャラクターの作り方を学ぼうとします。しかし、そうした学びをいくら重ねても、「自分がなりたいものに近づいている気がしない」と悩みがちです。

こうした理屈とは別に必要になるのが、人間のお手本です。実際の小説家の言動を通して、「これが小説家なんだ」と生き方、考え方、振る舞い方を知る。こうした体験をすると、「自分もこうなるんだ」という信念が持てるようになります。信と王騎将軍のエピソードはこのことを物語っています。

マインドレコーディングとは?

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、物事を成し遂げるための信念を持つ手法。それがマインドレコーディングです。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る