鬼滅の刃・「炭治郎の助言」でできるようになった自己主張

『鬼滅の刃』の栗花落カナヲはもともと自分の考えを持たない人間でした。胡蝶の屋敷で炭治郎に話かけられた時、相手にするかどうかをコイントスで決めようとします。

ところが遊郭編の冒頭では、一緒に暮らしている「アオイ」と「なほ」を連れ去ろうとした風柱の宇随天元を、自分の意志で引き止めようとしました。カナヲが自分の意志で行動できるようになったのは、「自分の心の声を聞く」という信念を持ったからです。

この信念を持つきっかけになったのは、炭治郎です。炭治郎はカナヲに話しかけた際、「なんで自分で決めないの?」と尋ねました。カナヲが「どうでもいいから」と答えると、炭治郎は「この世にどうでもいいことなんてないと思うよ」と返しました。そして、「カナヲは心の声が小さいんだ」と考えて、「表が出たら自分の心の声をよく聞くこと」と決めて、カナヲから借りた銅貨を投げました。

コイントスの結果は表でした。「なんで表を出せたの?」とカナヲが驚いて尋ねると、炭治郎は「表が出るまで何度でも投げ続けようと思っていた」と答えます。このやりとりにカナヲは心を揺さぶられ、「自分の心の声をよく聞く」という信念を持ちました。この信念が形になったのが、「宇随天元を引き止める」という行動です。

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が人間には必要です。この信念論のパターンを覚えれば覚えるほど、自分の信念も自覚できるようになります。

カナヲにとって、炭治郎は「第三者」です。この時の炭治郎はカナヲの生い立ちを知りません。だからこそ、「自己主張をしない」というカナヲの姿勢について、「もっと自分を出した方がいい」と率直にアドバイスできています。

カナヲの性格については、姉貴分であるしのぶも心配していました。しかし、しのぶはカナヲの生い立ちを知っているので、炭治郎のように「率直に」は働きかけられません。相手にどんな働きかけができるかは、人間関係によって制限されています。

しのぶの姉のカナエはここのことを知っていました。だからこそ、「いつかカナヲを変えてくれる人が現れる」と言って、自分で無理に変えようとはしなかったのです。

宇随天元が友達を連れ去ろうとした時、カナヲはすぐに引き止められたわけではありません。自分の考えを持たずに生きてきたカナヲにとって、任務のためにやってきた宇随に逆らうことは、恐怖と緊張をもたらしました。

このとき、カナヲは炭治郎のことを思い出して、行動に踏み出せるようになります。この「影響を受けた相手の顔が浮かんでくる」というのが、自分の行動が信念に基づいている証であり、その信念を発揮すべき状況であることの証です。

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信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。