『ユニクロプラスJ』が大人気のジル・サンダー。インタビューからわかるビジネス成功のコツ

ジル・サンダーの経歴

世界的なファッションデザイナー、ジル・サンダーとユニクロのコラボコレクション『プラスJ』。全国各地のユニクロに行列ができ、メルカリで転売が続出するなど大きな話題になっています。

デザインを担当したジル・サンダーは1973年にパリコレでデビューしました。ただ、この時は時代の流れに合わずに1980年に撤退しました。しかし1985年に再びミラノコレクションに参加すると一気に脚光を浴び、トップデザイナーの一人になりました。

彼女はなぜファッションデザイナーとして成功できたのか。人間は「感動した時に考えたこと」が自分の信念になります。何かを成し遂げたり、性格や習慣を変えたりするには、この信念が必要です。彼女が持っているのは、「流行」に対する信念です。

プラスJ発売に合わせてファッションメディア『WWD』でジル・サンダーのインタビューが掲載されました。「デザイナーのイヴ・サンローランは、自分で発明したかったものにブルージーンズをあげていた。もしファッションで何かを発明できたとしたら?」というインタビュアーの質問について、彼女は次のように答えています。

「これが新しい毛皮コートになる」

“今ならライトダウンジャケット。20年前にハイキング店で初めてライトダウンを見たとき、これが新しい“毛皮コート”になるだろうと感じた。私は毛皮を軽くしようとデザインをしていたが、ライトダウンが代わりになっていた。”

彼女は「ハイキング店でライトダウンジャケットを見る」という体験から、「これが新しい毛皮コートになる」と考えました。ビジネスで成功するには、こうした流行に対する信念が必要です。

信念はテーマ、ヒント、エピソード、フレーズ、アウトプットという5つのステップで気づけるようになります。私はこの仕組みを「マインドレコーディング 」と呼んでいます。

<人生を変えるための5ステップ>
1.テーマ(望みや悩みの対象)
2.ヒント(体験を思い出す手がかり)
3.エピソード(心を揺さぶられた体験)
4.フレーズ(体験から考えたこと)
5.アウトプット(考えを誰かに話す)

ファッション業界に携わるジル・サンダーはもともと「流行」が仕事のテーマになっています。そしてこのテーマについて、「ハイキング店でライトダウンジャケットを見る」という体験をした時に、「これが新しい毛皮コートになる」と考えました。

ジル・サンダーの場合は自分の信念を自覚しているので、ヒントからエピソードを思い出す必要はありません。またインタビューの性質上、20年前のジル・サンダーが誰かに話したかどうかも確認できません。しかし、20年も前の出来事を覚えていることから、その体験に心を揺さぶられたのは明白です。

「世のため」と「人のため」の違い

私たちは仕事について、「世のため人のために働く」というフレーズを使いますが、「世のため」と「人のため」は異なります。「世のため」はどれだけ広まるか、つまり「数」を増やすのが目的です。一方、「人のため」はどれだけ役に立つか、つまり「質」を高めるのが目的です。あらゆるビジネスは「世のため」と「人のため」のバランスを取る必要があります。

世のための仕事を実現するには、流行を活用する必要があります。飲料メーカーのダイドーは缶コーヒーのパッケージに大流行している『鬼滅の刃』を採用したところ、3週間で5000万本を販売しました。缶の中身は変わっていないのに、流行を活用すると売れ行きが変わる。それが「世のための仕事」です。

どんなに仕事にこだわって、どんなに仕事の質を高めても、世間ずれしているとビジネス的な成功は難しくなります。職人肌、学者肌、人の役に立ちたいと考える人間ほど、この傾向が顕著です。その結果、経済的に厳しくなっていきます。

流行には「だんだん見聞きする頻度が増える」という前兆があります。そして、見聞きする頻度が少ない段階で気づければ気づけるほど、「先見性が高い」ということになります。この時に大切なのは、自分の好みを脇に置いて、頻度だけで判断することです。「流行」をテーマにすることは、そうした態度を自分に促してくれます。「なんかよく見聞きするけど、自分は興味ないな」では、世のための仕事はできません。

世界的なデザイナーであるジル・サンダーでさえ、自分の提案が時代の流れに合わなかった時は撤退する憂き目にあっています。また9年ぶりに復活した今回のユニクロプラスJに関しても、「再開する時期がきた」と答えています。こうした彼女の逸話は流行に対して信念を持つことが、ビジネスに必要なことを物語っています。

マインドレコーディングとは?

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、物事を成し遂げるための信念を持つ手法。それがマインドレコーディングです。
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