陰謀論やスピリチュアルの馬鹿騒ぎがなくならない理由

トランプとバイデンが争ったアメリカ大統領選に絡めて、ネット上に陰謀論とスピリチュアルがはびこっています。TwitterやYouTubeで少し調べれば、「民主党のバイデンは不正選挙で勝利した」「バイデンやヒラリー・クリントンは悪魔主義者だ」といった話がいくらでも見つかる状況です。

「悪魔」と言い出したら、それに対立する「神」を持ち出すことになります。それゆえ、陰謀論とスピリチュアルはセットで語られます。こうした馬鹿騒ぎは今回が初めてではありません。

世間を賑わす出来事が起きるたびに、陰謀論やスピリチュアルは「これは自分たちが予言していたことだ」と主張します。2020年から2021年にかけてはアメリカ大統領選のほかにもコロナウィルスについて似たような騒ぎが起きました。

こうした馬鹿騒ぎがなぜ何度も繰り返されるのか。その理由は主に二つあります。一つ目の理由は「曖昧な定義」です。たとえば日本の宗教やスピリチュアルのほとんどは、明治大正昭和にかけて広まった大本教から派生しています。この大本教にある予言が「艮の金神による建て替え建て直し」です。

この予言は一言でいえば、「世の中を一変させる神の計画がある」というものです。予言というのは定義が曖昧なので、なにか大きなことが起きるたびに、「これが建て替え建て直しの始まりだ」と指摘できます。最近ならコロナ騒動で、10年前なら東日本大震災で、実際にそうした指摘がありました。

こうした指摘は予言だけに限りません。陰謀論やスピリチュアルが持ち出す「光と闇」「正義と悪」「神と悪魔」といった単純な二元論は、レッテル貼りの好材料になります。話題になった対立に、「正義と悪」や「光と闇」を勝手に当てはめて、「闇は光に勝てない」といったフレーズを連呼するのは心地よく、自分が正しいことをしている気分に浸れます。この「単純な二元論だと、簡単に相手にレッテルを貼って攻撃できる」というのが、陰謀論やスピリチュアルの馬鹿騒ぎがなくならない一つ目の理由です。

しかし、そうしたわかりやすい二元論に酔っているうちは、何も変わりません。なぜなら、現実は二元論で分別できるほどわかりやすくないからです。「自分たちは正しくして、相手が間違っている」という優越感を抜け出して初めてできることがあります。

二つ目の理由は「世代交代」です。陰謀論やスピリチュアルは、形のない「心の世界」に興味を持った入門者が一度は通る道です。学校や会社で真っ当に生活していた人間が「本当はこうだったんだよ」と教わると、「そうだったのか」と鵜呑みにしがちです。心の世界に興味を持つのは、悩みや不安を抱えている場合が大半なので尚更です。

「本当はこうだったんだ」という誘導は陰謀論やスピリチュアルに限らず、ビジネスにも使われます。その典型がマネー教育であり、そのターゲットになるのが大学生です。高校から大学に進学すると行動範囲が一気に広がり、それに伴って「もっとお金があったら」と考えるようになります。

このタイミングで「日本人はお金の教育を受けてないのが問題だ」と主張する相手に遭遇すると、「そうだったのか!」と信じ込んでしまいます。もし小学校や中学校でマネー教育をするべきだと考えているなら、学校教育に関わって働きかけようとするのが筋道です。しかし、そういう人間が生業にしているのが、マルチ商法やネットワークビジネスや金融商品なのだからお笑い草です。

こうした誘導は小学生に対して、中学校で教わる方程式をひけらかして、「まだ知らないんですか?」と危機感を煽っているにすぎません。しかし、小学生が中学校で教わる方程式を知らないように、子供が大人に必要なマネーの知識を知らないように、心の世界に興味を持った初心者は陰謀論やスピリチュアルの何度も繰り返されている馬鹿騒ぎを知りません。

今回の騒動で「こういう馬鹿騒ぎに加担しても、結局何も変わらないな」と学んだ人がいても、それを体験していない世代が今も生まれています。この「世代交代」が、陰謀論やスピリチュアルのバカ騒ぎがなくならない二つ目の理由です。

スピリチュアルやマネー教育も安易にではなく地道に取り組めば、人生を豊かにしてくれます。宗教とカルト宗教は異なり、投資家と詐欺師は異なるからです。しかし、学び始めたばかりの入門者にはその区別ができません。そのため、自分が知らないことを聞かされて、「この人はすごい」と心酔するようになります。

「それも通過儀礼だ」と言えばそれまでですが、なるべく早く通り過ぎるが得策です。これまでに何度も「世界は終わる」「世界が変わる」という予言がありましたが、世界は終わったことも、陰謀論やスピリュチアルが語る形で変わったこともありません。世界はただ続いていくものです。このことを念頭に置いておけば、空想に耽って人生を無駄にするのをやめて、理想を形にする人生にシフトできます。

信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。