タピオカブームが終わっても、ゴンチャの原田CEOが自信なワケ

「タピオカブームが終わっても、ゴンチャは成長する」

2018年から2019年にかけて大流行したタピオカミルクティー。しかし、2020年になるとブームも下火になり、『CoCo都可』『ALFRED TEA ROOM』といった有名店が閉店しました。貢茶(ゴンチャ)もその一つです。

しかし、2019年12月にゴンチャのCEOに就任した原田泳幸は「タピオカブームが終わっても、ゴンチャは成長する」と自信を崩していません。彼はなぜ閉店する店があっても自信を持っていられるのか。人間は「感動した時に考えたこと」が自分の信念になります。何かを成し遂げたり、性格や習慣を変えたりするには、この信念が必要です。

原田氏が持っているのは、「メッセージ」に関する信念です。彼は『日刊SPA!』のインタビューで、「ゴンチャのコアバリューはタピオカではない」と話しています。ゴンチャは紅茶、ウーロン茶、ジャスミングリーンティー、阿里山ウーロンティーの4種類のお茶について、世界最高の茶葉を持っており、それがコアバリューだとしています。

「ゴンチャはアジアンカフェのブランド」

さらにセットメニューとしてお粥を扱い始めることを挙げて、「ゴンチャは一貫してアジアンカフェのブランドです」と断言しています。ゴンチャを「アジアンカフェ」という大きな括りで捉えていて、「タピオカは一過性のブームだ」と想定していたからこそ、タピオカブームが終わっても自信を持ったままでいられるのです。このようにビジネスには、「自分が何を提供しているのか」というメッセージに対する信念が必要です。

自分の信念はテーマ、ヒント、エピソード、フレーズ、アウトプットの5つのステップを踏むことで気づけるようになります。私はこの仕組みを「マインドレコーディング 」と呼んでいます。

<信念に気づく5ステップ>
1.テーマ(望みや悩みの対象)
2.ヒント(体験を思い出す手がかり)
3.エピソード(心を揺さぶられた体験)
4.フレーズ(体験について考えたこと)
5.アウトプット(考えを誰かに話す)

原田氏はCEOとして「ゴンチャなどんなブランドなのか?」を追求しています。これがテーマです。そしてそのテーマについて、「ゴンチャが世界最高の茶葉を持っていること」を体験して、「ゴンチャはアジアンカフェのブランドだ」と考えました。

彼の場合、自分の信念について自覚的なので、ヒントからエピソードを思い出す必要はありません。またアウトプットに関しては、このインタビュー自体がその役割を担っています。信念は誰かに話して再確認すると、強化される性質があります。だからこそ、「自分の夢を話すと実現しやすくなる」と言われるのです。

メッセージに対する信念を持つ

ビジネスは「メッセージ」と「題材」の二つの組み合わせでできています。たとえばトヨタは「世界標準のクルマ」というメッセージを持っています。そして、それを「コンパクトカー」や「セダン」や「SUV」という題材で形にしています。

ゴンチャの場合も同様です。ゴンチャは「アジアンカフェ」というメッセージを持っていて、「タピオカミルクティー」という題材で形にしています。そして、その題材に流行を利用するのは、ビジネスとして当然です。しかし、流行には必ず流行り廃りがあります。だからこそ長期的な成功を望むのであれば、ただ流行を追いかけるだけではない、会社としてのメッセージが必要なのです。

メッセージはこれまでに展開してきた商品やサービスを振り返れば見つかります。どんなビジネスもうまくいく時と、うまくいかない時があります。そして、うまくいった時に共通している部分が、そのビジネスのメッセージです。

大きなスケールで考えるのが経営者

頭を使わずに「タピオカブームが終わって、原宿表参道のゴンチャも潰れた」というニュースを眺めていると、「ゴンチャはオワコンだ」と短絡的な発想になりがちです。しかし、経営者はそうした短絡的な発想ではなく、もっと大きなスケールで、もっと長期的な視点で考えています。

「アジアの時代」と言われる現在、映画や音楽やファッションといった各業界で中国、台湾、韓国から新しいトレンドが生まれています。その時代にお茶やお粥を扱うアジアンカフェを展開するのは理にかなっています。もちろんだからといってゴンチャが成功するとは限りませんが、目の前の出来事だけを見て短絡的に考えているよりはずっとマシです。

ビジネスのメッセージについて考えることは、そうした大局的な視点を促してくれます。原田氏のインタビューは私たちにそのことを教えてくれています。アップル、マクドナルド、ベネッセといった名だたる企業で役員を務めた彼ならではの、勉強になる内容でした。

マインドレコーディングとは?

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、物事を成し遂げるための信念を持つ手法。それがマインドレコーディングです。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る