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F1カーデザイナー、エイドリアン・ニューウェイ。心残りが理由になったレッドブル移籍

エイドリアン・ニューウェイというカーデザイナーがいます。ニューウェイはウィリアム、マクラーレン、レッドブルといったF1チームに所属し、数多くのタイトル獲得に貢献しました。大学で学んだ航空力学を活かし、空力性能の高いシャシーを開発することから、「空力の鬼才」という異名を持ちます。

ニューウェイは2006年に最高技術責任者というポジションでレッドブルに移籍しました。その後、レッドブルは2010年から2013年にかけて4連覇を達成します。この連覇には、空力規定の大幅な改定に合わせて開発したニューウェイの車両が大きく貢献しました。

このニューウェイのレッドブル移籍に影響したのが、1987年から1990年にかけて所属していたレイトンハウスです。レイトンハウス時代のニューウェイは自社風洞による先進的な空力デザインを研究しましたが、開発したCG891はダウンフォース量が急激に変化する扱いにくいマシンになり、チームは成績不振に陥ります。ニューウェイはこの成績不振の責任を取る形で解雇されています。

レッドブルから移籍の打診があった際、ニューウェイはレイトンハウス時代のことを思い出したと言います。レイトンハウスはニューウェイが所属した年にF1に進出したばかりの新興チームでした。総勢50人ほどの小さなチームで、若くて経験が浅いメンバーが大半でしたが、それでもチームは急成長し、「いずれ成功する可能性を秘めていた」とニューウェイは振り返っています。しかし、その志半ばでチームを追放されました。

一方、レッドブルもニューウェイが所属する前年にF1に進出したばかりの新興チームです。新興チームのレイトンハウスでやり残した仕事を、同じ新興チームのレッドブルでやり直す。「そのチャンスはとても魅力的だった」とニューウェイはインタビューで答えています。

ニューウェイはレイトンハウスの影響で、「レッドブルでやり直す」という信念を持ちました。このように信念は人間関係から生まれます。大切なのは、この「信念は人間関係から生まれる」という信念論を自覚することです。そうすることで、私たちは自分の人間関係から、自分の信念を見つけられるようになります。

ニューウェイとレイトンハウスの関係は、「追放者とコミニュティ」です。追放は人間にとって深刻な問題です。自分の居場所がなくなるほど、苦しみをもたらすことはありません。居場所の有無に比べれば、普段気にしている勝敗や優劣は二の次、三の次の問題です。だからこそ、ニューウェイにとってもレイトンハウス時代の出来事が心残りになっていました。

レッドブルとレイトンハウスには「できたばかりの新興チーム」という共通点があります。その共通点によって、ニューウェイはレイトンハウス時代を思い出し、それがレッドブル移籍の理由になっています。

信念に影響する人間関係は、現在のものとは限りません。現在の人間関係が呼び水となって過去の人間関係を思い出し、その影響で新たな信念を持つこともよくあります。「過去を振り返るのは無意味」というのは真っ赤なウソです。

何かを新しく始める時に、それが過去のやり残しの続きであることはよくあります。また、過去に掲げた目標を「やりきった」と感じて、新しく何かを始めることもよくあります。「やり残し」にせよ「やりきり」にせよ、過去を振り返ったからこそ、新しい挑戦が始まっています。

レイトンハウスでドライバーを務めていたイワン・カペリは「30年以上にわたってトップデザイナーであり続けてきたという事実こそ、彼が天才であることの何よりの証拠だ」とニューウェイを評価しています。ニューウェイを「天才」と評価するF1関係者は他にもたくさんいます。

そんな天才にも心残りはあり、その心残りから新しいことを始めています。このように自分の未来は、自分の過去を振り返ることで見つかります。温故知新は人生にも当てはまるのです。

<今回の信念論>

  • カーデザイナーのエイドリアン・ニューウェイは、かつて所属していたF1チーム『レイトンハウス』の影響を受けて、レッドブルに移籍した。
  • ニューウェイとレイトンハウスの関係は「追放者とコミュニティ」。
  • ニューウェイは成績不振でレイトンハウスを追放された心残りがあり、レッドブル移籍がその心残りを晴らすチャンスだった。

信念論とは?

人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が、行動力の正体です。信念論を知ることで、悩みや困難を乗り越えられるようになります。詳しくは下記リンクをご覧ください。